【古代への情熱】〜シュリーマンが抱き続けた夢
本の紹介のお時間です!
本日はハインリヒ・シュリーマンの自叙伝『古代への情熱』をご紹介します。
ハインリヒ・シュリーマンは1822年に、メクレンブルク=シュヴェリーン大公国のノイブーコウに生まれました。
(おおまかにはドイツです)
実業家として活躍し巨万の富を築いた後、彼の幼少期からの夢であったトロイアの遺跡の発掘を行いました。
その他にもミケーネやティリンスの発掘も行い、それまでは完全な創作と認識されていた古代ギリシア考古学の実質的なパイオニアとなった人物です。
それでは、ハインリヒ・シュリーマン『古代への情熱』の魅力を、私、ハルカがご紹介します!
貧しかった幼少期
シュリーマンは9人兄弟の6番目の子として生まれ、初めはそれほど不自由な生活をしていた訳ではないようです。
しかし9歳の時に母親が死亡し、父親が酒に溺れるようになってしまいます。
さらに13歳の時にギムナジウム──日本で云えば中高一貫校のような学校──に入学するのですが、1年もしないうちに貧しさから退学します。
しかしここからがシュリーマンの凄いところでした。
徒弟として働く一方で語学を猛勉強し、英語やフランス語をはじめとして15か国語をマスターしたのです!
同時にこの部分を「盛っている」と批判する人もたくさんいるようですが……。
シュリーマンにとって語学の勉強は実益を兼ねた趣味のようなものだったらしく、毎日寝る間も惜しんで勉強したと書かれています。
ここからも自分の意志で勉強することの重要性が窺えますね。
実業家として活躍した青年期
14歳から働いていたシュリーマンですが、20歳の時にオランダの貿易会社に就職し、そこから才覚を現していきます。
24歳の時に独立。サンクトペテルブルクに商社を設立し、ロシア国籍を獲得しました。
もちろん学校で学んだことはなかったシュリーマンでしたが、実業家としての活躍は素晴らしいものでした。
フォーティーナイナーズと云う言葉の由来になった出来事の、アメリカで発生したゴールドラッシュ。
これらの歴史的な大事件を見逃さず、この時期に巨万の富を築きました。
引退後から始めた遺跡発掘
シュリーマンは41歳で事業を畳み、株式投資を細々と続けながら、満を辞して幼少期からの夢であったトロイア遺跡の発掘を開始します。
彼は神秘的なものに憧れを持っていました。子どもの頃、父親が話し聞かせてくれたトロイア戦争のエピソードが大好きで、いつか自分が発掘してやる! と、ずっと思っていたのですね。
そうして、それまで伝説上の存在だと認識されていたトロイア、ミケーネ、ティリンスの遺跡の発掘を行い、夢を叶えてから亡くなったのでした。
残念ながらシュリーマンは批判の多い人物です。
「18か国語をマスターした」と云う記述の虚偽や「幼少期からの夢の実現」は後付けであると云われるのですね。
私の世界史の先生も散々に貶していました。
確かに『古代への情熱』と云う自叙伝は小説ではなく、かと云って完全な伝記でもありません。あくまで個人やその友人が記述したものであるため、多分に脚色、美化されていることが想像されます。
しかし子どもの頃からの夢を追い続けた究極形として、そして熱量を持って生きた一人の男性として捉えると、彼の生き様をカッコいいと感じることが出来るかもしれません……!
〜終わりに〜
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
ハインリヒ・シュリーマン『古代への情熱』いかがでしたか?
貧しさから現実主義的な思考を持ちつつも、ある種の純粋さを忘れないで生きる。
そんな生き方を私もしたいものです。(笑)
ではでは、皆さん良い読書ライフを!
また明日お会いしましょうね!
ハルカでした!(*´꒳`*)